友達が多いと本当に幸せなの?

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20代の時は、人脈を広げたり友達を増やすことに必死でした。友達は多い方が、人生が充実して幸せになると思っていたし、コミュ力も高そうに見えていました。30代、40代となり人間関係が窮屈になり、ストレスを感じるようになって、周りを気にするのを止めるようにしました。するとストレスもなくなり、好きな人だけと会うようになり、人間関係もスムーズで楽になりました。

そして、いろいろ調べた結果、友達が多いから幸せになるとは限らないということがわかりました。しかも、自分のライフステージによって友達が多い方が良い場合とそうじゃない方が良い場合があります。

 

友達は数ではなく質が大事

多くの人は、友達が多い人を見ると羨ましいと思って友達を無駄に増やそうとしてしまいます。その結果余計な人間関係を抱えてしまい、しかも往々にしてそういう人は真面目なので一度交友をもったら関係を維持しないといけないと考え無駄な付き合いもやり取りも増えてしまいます。

友達は数ではなく質です。そういうと、質を手に入れるためにはまず数も必要だと言う人がいますが、疲れてしまいますよね。私の場合は仕事と趣味の境界線がないので、一緒に仕事ができる友達と結構仲良くなることが多いです。仕事というよりは一緒に何かを目指したり問題を解決するテーマを求める友達が良いなと思います。つまり、お互いにお互いの人生の目的の一端を担い合う関係が本当の友達だと思っています。私としてはそう思っていますが、それが正しいのか?実際はどうなのか?調べてみました。

 

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友達多いと幸せなの?

ロチェスター大学の研究からご紹介します。今幸せかどうか?ということはなかなか判りにくいものです。少し面倒に感じていても、いざ友達と会って一緒にいると楽しいと感じたり、楽しい関係のはずなのに終わってみると何故か楽しくなかったりする時もあるかと思います。この違いは何なのだろうかと考えたわけです。

行きつくところ、結局人生として幸せになれる友達とはどんな条件なのかと調べてみたらロチェスター大学が面白い研究をしていました。ロチェスター大学は、50歳の時点での幸福度は何で決まるのか?特に人間関係や友達関係の何処で決まるのか?ということを調べています。すると、なんと、50歳時点での幸せ、つまり長期的にみた場合の幸せは20代と30代の時の人間関係・友達関係で決まっていたということがわかっています。

この研究では、100名の若者の幸福度を30年間にわたって追跡調査しています。調査を始めたのは1970年代で20代30代の人たちに日々の生活や友達との関係、人生に対する満足度などを調べました。その後30年間の追跡調査を経て全員に科学的な心理テストを行いました。幸福度・孤独感・うつ傾向・友達関係・友達の質といった項目をチェックしました。

その結果、20代の時に友達が多かった人は50歳の時に幸福度が高まっています。これはなんとなく想像の範囲かと思いますが、20代で友達の数が多くて30代で友達の数が大きく減っている人たちは50歳時点での幸福度はより高かったという結果が出ています。さらに30代でも友達の数が多い人というのは50歳の幸福度が下がっていました。

つまり、20代の時に友達が増えると幸せにはなれますが、30代では質が大事になるということです。20代では色んな人と会って30代で友達の質が絞られてくると、自分の人生の目的に適った人間関係が出来て、そこから一緒に大きなプロジェクトに取り組んだり自分の人生に向き合うことが出来るようになるので、結果として人生の質が高まっていくということです。

 

  • 20代では量が大事
  • 30代以降では質が大事

 

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ライフステージに合わせた友達関係

人は人生の初期段階(10代・20代)において自分の知らない知識をできるだけ多く手に入れたほうが人生の質も上がり可能性も広がりますから、20代では色んな人と幅広く付き合ったほうが良いです。30代になると人生の目的も徐々に見えてきます。そんな見えてきた時期に無駄な社会的関係や行動を整理し始めて、時間を何に使うのか?労力を何に使うのか?自分の能力は誰のために使うのか?誰と付き合うべきなのか?といったことを精査していくことでより凝縮された人間関係をつくることが出来るようになります。これが晩年の幸せをつくってくれるということです。

30代になっても友達がとても多い人、あるいは、20代も30代も友達が少なくて質も高まっていない人は、意味が深い人間関係をつくれていない可能性が高いといえます。実際、友達とたわいない話をしても楽しめるのは10代、20代ですが、30代以降は深い話や議論が生まれるような内容の話をできる関係の方が結果的には幸せになれます。

20代の頃は量を追い求めてもいいけれど、たくさんの人と出会った後はそれを失うことを恐れざす絞っていかないと、自分の人生の目的が見えなくなってしまう、あるいは見えていない可能性があるということです。ですから、皆さんの人間関係を見ることによって皆さんが人生に目的を見いだせているのか?自分を幸せにしてくれる目的を持てているのか?ということが見えてくるわけです。

 

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ポイントを押さえて人と付き合う

人脈があって誰とでも繋がれるという人も確かにいます。ですが、こういう人も人間関係が飛び抜けて多いというわけではなかったりします。人間関係の繋がりの豊富な人と繋がっているだけだったりします。ですから、僕のまわりにもスーパーコネクターのような人がいますし、この人に相談したらどんな人でも紹介してくれるような人もいます。ですが、この人達もハブになるような人との人間関係を持っていて、このジャンルなら◯◯に相談すれば誰か紹介してくれそうということを知っている人です。

つまり、人脈の多い人や人間関係を使うのが上手い人であってもたくさんの人とずっと付き合っているわけではないということです。人間関係の上手い人というのはポイントを押さえている人ということです。ポイントを押さえて凝縮させているから人間関係にかけるコストは少ないにもかかわらず多くのメリットを人間関係から得ることが出来ているわけです。

皆さんも、人間関係について今一度見直してみると良いのではないかと思います。