本当に幸せになれる年収とはいくら?

年収いくらが一番幸せか?

「収入がもっと増えれば、もう少し生活が楽になるのに……」そう思うことはありませんか?しかし、なかなか現実は厳しいもの。「お金が全て」ではないことくらいは誰でも分かっています。しかし、少しでもお金があった方が買えるものの選択肢が増えるし、生活が豊かになるのは紛れもない事実。では、一体どのくらいの収入があれば、人間は幸せになることが出来るのでしょう。

 

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皆さん何のために稼ぎますか?

全ての物事には適度な数字というものがあります。どんなに美味しい食べ物でも過ぎると食べたくなくなることもあります。どんなに美味しいお酒であっても適量なら美味しく味わうことができても、大量に飲みすぎると体を壊してしまいます。どんなものにも最適値というものがあるわけですから、お金にもあるのではないでしょうか。

 

お金の最適値

なぜか私たちはお金を無限に求めようとしてしまいますが、お金にも最適値があるのではないでしょうか。年収アップが幸福感アップに比例する限界値とは?結論としては、幸せに生きたいのであれば、年収700万円が最適値です。

2002年にノーベル経済学賞を受賞した、米プリンストン大学の心理学の専門家、ダニエル・カーネマン教授が非常に興味深い調査を発表している。この調査によると、世帯年収が75,000ドル(2016年10月現在の日本円にして約780万円)以下の人では、収入が上がるに比例して「喜び」や「満足感」などの幸福度が増幅するのに対し、この金額を超えると幸福度が増幅しないことが明らかになった。つまり、年収500万円が年収700万円になれば幸福度は増すが、年収800万円の人が年収1,000万円になったとしても幸福度は増えない、と言うことだ。よくテレビや映画などで、億万長者が不幸になると言う話があるが、この金額、なるほどと言う気がする。

実際、日本とアメリカでは物価や文化も違うし、為替レートの問題もあるので、この75,000ドルを単純に日本円にした金額が果たして最高に幸福度の高い年収なのかは断言できないが、この金額がひとつの基準になるだろう。

以前、イースタリンの逆説というものが流行りました。ダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」にも出てきますが、年収は75000ドルを超えると人間の幸福度は頭打ちになるとされています。お金により物を得ることでの幸福度には限界があるので、大事なのは必要以上にお金を求めるのではなく、お金としては75000ドルが最大値として十分なのではないかというのがイースタリンの逆説です。

 

 

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幸福度と人生の評価

アメリカのパデュー大学の研究でギャラップ社が164カ国から集めた約170万人のデータセットを使った研究があります。対象者全員の今感じている幸福度や年収を調べ、国ごとの物価や購買力なども計算に入れて結論を導いています。ちなみに、ダニエル・カーネマンの論文でも約45万人を対象にしていますから、そちらもかなりのデータ量だとは思います。

結果としては、先ほどのとおりで年収1000万円あたりが、人間の幸福度のリミットだとされています。人間の感情的な幸福というのは年収が60000ドルから75000ドルぐらいで上限に達してしまいます。カーネマンさんの結論とほぼ同じような内容とはなっています。

人生の評価として過去を振り返った時に満足を感じながら、人生を終えたいのであれば年収1000万円ぐらいあった方がいいのではないかとされています。人生の評価としては約95000ドルぐらいで上限に達するということです。

つまり、幸せに生きたいのであれば年収700万円から800万円ぐらいでいいけれど、人生に何も悔いることなく生涯を終えたいのであれば1000万円ぐらい必要だということです。

  • 幸福度:年収700〜800万円
  • 人生の評価:年収1000万円

幸福度とは毎日味わう感情の動きのことで、この動きが平坦になりすぎたり、ネガティブになりすぎると幸せは感じにくくなります。これがポジティブな方向に動く最大値を得られる年収は700万円から800万円ぐらいだろうということです。

人生の評価というのは、自分の人生を評価した時にどう思うかということです。自分はうまく生きているとか、より大きな目標を常に目指しているなとか、良い人生を送ることができているなというように、自分の人生を振り返った時の評価が一番高くなるのが1000万円ぐらいだろうということです。

感情的に日々楽しく生きたいというのであれば年収700万円から800万円、意味感のある人生を過ごしたいのであれば年収1000万円をを目指すと良いということになります。ちなみに、さらに年収が上がると幸福度は下がります。別なデータもあり、年収1000万円の上限を超えると人生の評価も幸福度も下がるということもわかっています。

この現象がなぜ起きるのかについては、はっきり分かっていませんが、基本的な衣食住や生活レベルというものが満たされるまでは年収が上がれば上がるほど、いい生活ができるので幸福度も上がりますが、一旦生活のレベルが上がり不自由がなくなってくると他人との比較や自分の持っている物の質の良し悪しなどを追及し始めてしまうので、結局他人との競争になってしまうことで、幸福度が下がってしまうのではないかとされています。

他人との比較を始めてしまうと、それは上を目指せば目立つほどきりがなくなってしまいます。幸福の追求という観点からすると比較には限度があります。年収1000万円を超えたらお金の使い方を考えてください。人と違う生き方をしているとか、人よりも自由な時間ができるようになったとか、お金以外のものを追求していくことが大事です。「足るを知る」ということです。

 

私の場合は他の人よりもいい車やいい時計などを手に入れるようなことよりも、好きなことで自由に働けることが一番の幸せだということに気づきました。他人との比較はやめて、お金に振り回されることなく幸せに稼ぐことが重要ですね。