労働時間を短縮して、年収を上げる方法
労働時間は減るのにむしろ年収は上がる方法
しかも資格も必要がない方法です。キャリアアップのために資格を取ろうという人が結構いますが、多くの場合が資格ビジネスに利用されています。収入の高さと資格の保有には相関がなく、むしろ、稼いでいる人ほど資格を持っていないという研究もあるぐらいです。もちろん、全ての資格が駄目だというわけではなくその資格を取らないとできない仕事の場合は別です。
例えば、医者とか弁護士など資格がないとそもそもスタートラインに立つことすらできない資格は別です。そういうものを除いた資格としては、お金を持っている人は資格を持っていないということです。お金を持っていない人ほど資格が好きです。民間団体が資格を作って認定するビジネスは、肩書きと自己満足を形にすることで儲けています。
実際に調べてみたら資格と収入は比例しなかったわけです。
年収と相関する能力は何?
資格ではないとしたら、年収と優位に相関している人間の能力とはなんでしょうか。
それは・・・EQです。
心理学者のダニエル・ゴールマンが提唱した概念で自分をコントロールする力や他の人の気持ちを誤解なく正しく察することができる共感力をEQと言います。
EQとは
EQは、自分や他人の感情に気づいて理解する能力であり、この感情認識を使って自分の行動や人間関係をうまくもっていく能力のことです。
EQが高い人とは
自分の感情をコントロールすることができて他人の感情を理解する能力ですから、感情に対する扱いが上手い人の事をEQが高い人ということができます。
今回ご紹介する研究は、EQ:心の知能指数が高い人ほど、年収が高くなるのではないかというものです。ところが、日本ではなぜかEQが高い人=空気が読める人と解釈するような文化があります。これは間違っています。空気を読んで自分の言いたいことを言えない人は自分の感情を殺しているのでEQが低いと言えます。
自分の感情を理解し相手の感情も理解した上で落としどころを考えたり相手を否定することなく理解し合うにはどうすればいいのかということを考えられる人がEQが高い人です。空気が読める人の方がいいと言われるのは、会社の中でコントロールしやすいからです。学校の中でも空気が読めておとなしく先生の言うことをきく子の方が偉いと言われます。これもただコントロールしやすいからです。
日本では教育環境もなかなか良くならなかったり、ベンチャー企業や新しい挑戦をする人たちを後押しするようなことを言いながらも、そのような法律を含めた環境整備が全く進まないのは、国は皆さんに夢を追ってほしいなどとは思っていないからです。それはコントロールしやすい国民でないと国というものを維持できなくなるからです。国も組織も基本的には皆さんをコントロールしやすいほうに誘導します。それは狙ってしている時もあれば意識せずしている時もありますが、そのようなコントロールしやすい人間になるのではなく、自分や他人の感情を理解することができるようになり、人を動かすことができる人間になるためにはどうすれば良いのかというお話を紹介します。
EQが高い人ほど年収も高く労働時間も短い
ドイツのボン大学の研究で142名の男女を対象に共感能力を測るテストにより全員のEQを測定し、それぞれの上司・同僚・部下たちに普段の仕事ぶりや印象を調査しました。
その結果、同僚や上司から仕事ができる人だと思われている評価されている人ほどEQも高い傾向がありました。さらには、当然ですが年収も高かったということです。
つまり、周りから見て評価されている人はEQが高く、自分の意見や感情を表現することもしっかりできるけれど敵をつくりにくく周囲の気持ちも理解することができる人たちが年収も高くなったということです。
年収の高さには様々な要素が絡んできて、年齢や性別、労働時間や社内での地位が年収を決めると言われていますが、これらの要素をすべて取り除くように調整して、個人の能力に注目すると他人の感情を掴む能力、つまりEQが年収に対して強い相関関係があったということです。
性別も年齢は努力してもどうにもできませんし、労働時間も増やすといっても限界があります。社内での地位というのも、そんなに簡単に上がるものではありません。そのような中でどうすればいいかというと、他人の感情を掴む能力が大事だということです。
資格の保有よりも感情を理解する能力を高めることで皆さんの年収を増やすことができます。他人の感情を掴む能力の高い人ほど組織内での立ち回りも上手くなりますし、仕事での対人関係も良くなるということも分かっています。その結果トラブルが減りみんなが助けてくれるので労働時間が減ります。にもかかわらずより多くの年収を稼ぐことができるということです。
他人の感情を察する能力の高い人ほどストレスを感じることも少なく自分の意見もしっかり表現することもできるので周りのみんなも自分のことを理解してくれます。自分の意見をしっかり表現することができて、相手のことも理解することができていれば、相手も自分のことを理解してくれるということです。これがEQの高さによるものだったということです。
EQの高い人は他人のニーズを把握する能力も高いので、同僚が困っている時にどのように助けてあげるべきかやクライアントのニーズも察することもできます。また、上司が自分のことをどのように評価しているのかということも上司が他人を評価する時にどのようなところに注目するのかということも察することができます。ですから自然と社内での評判も高くなっていくわけです。
EQが高いとストレスも少なくなる
いろいろな感情を自分の中に封じ込めてしまうと、すぐに緊張やストレスや不安といった不愉快な感覚に襲われます。行き場の無い感情で心身が参ってしまいます。EQスキルがあると事態がエスカレートする前に辛い状況になりそうなことに気づいて対応することができるので、ストレスの処理がしやすくなります。
EQスキルがうまく使えない人は、自分の気分をうまく扱っていけないやり方を取りがちです。そういう人たちは、EQが高い人たちの2倍も不安や気分の落ち込み、薬物乱用を体験する可能性が高く、自殺を考えることすらあります。
EQスキルは、体が病気から回復する速度を速めることもできます。病気の治療中に、EQスキルを上達させると、心臓病と癌という二大疾病を含むさまざまな疾病からの回復が早くなります。命の危険があるような病気にかかっている人たちに、EQスキルを教えると、再発率低下、早期回復、死亡率低下につながります。
EQは、辛い状況から受けるストレスの感じ方を緩やかにし、精神的苦痛と折り合いをつける脳の力を高めます。この苦痛から回復する力の強さが、強い免疫システムを維持して病気から身を守るのです。
EQを高めるにはどうすれば良いのか?
共感能力を高めるには色々な方法がありますが、Google ではEQを高めるための社内研修に力を入れていてマインドフルネス瞑想もいち早く取り入れています。瞑想することで他人に親切になるというデータもたくさんあります。親切になるということは、他人がどのように困っているかとかどうすれば喜ぶのかということを考えてとる行動ですからEQが高い人特有の行動です。
さらには、瞑想することで思い込みにとらわれなくなるということも分かっています。
自分は感受性が高くて人の悩みまで抱えてしまうという人がいますが、これは共感力が高いとは言いません。EQが高い人や瞑想で高めている人は物事に対する思い込みが減りますので、物事を起こったとおりに受け止めることができてバイアスに左右されることなく処理することができます。
まとめ
EQを鍛えると、人生や生命に関する最も重要な点で得るものがあると、知っておくのは良いことです。健全なキャリアと健全な肉体はとても大切です。