食べていないのに太ってしまう悪習慣とは?

食べていないのに痩せないという人が結構います。

私の友人もそうです。そんなに食べているわけでもなく痩せない。。。

中年になり、年齢や体質のせいにしたり、仕事が忙しくストレスのせいにして諦めている人は多いです。

 

食べていないのに太る原因が分かったかもしれないという内容です。いくつか原因はありますがそのうちの一つを紹介します。寝不足です。寝不足は太る原因になってしまうということが分かっています。

 

コロンビア大学が2005年に行った、ある興味深い調査結果があります。32~59歳の男女8000人を対象に調べたところ、平均7~9時間の睡眠時間の人に比べて、4時間以下の睡眠の人の肥満率は73%も高かったのです。また、5時間睡眠の人でさえ、肥満率が50%も高いと報告されました。

 

睡眠が短いとなぜ太りやすくなるのでしょうか?

スタンフォード大学が2004年に行った調査では、睡眠時間は食欲と関係していることがわかりました。8時間寝た人に比べて5時間しか寝ていない人は、食欲がわくホルモン「グレリン」の量が約15%多く、食欲を抑えるホルモン「レプチン」の量が約15%低いという実験結果が出たのです。これは睡眠の長さと、食欲をコントロールするホルモンのバランスが関係しているということ。

 

どういうことかというと、「睡眠時間が短くなる」=「起きている時間が長くなる」ということなので、体はグレリンを増やしレプチンを減らすことで私たちに食べ物を食べるよう促し、長くなった活動時間に必要なエネルギーを確保しようとするのです。また寝不足で翌日の活動量が減る場合がありますが、そのメカニズムは以下のとおりです。

寝不足の時は眠くて体がだるく、重くなるので、あまり動きたくなくなります。すると活動量が減ったり、動きが鈍くなったり、ルーティーンにしていた運動などまでサボってしまいがちになったりで、結果的に1日の総活動量が減ります。これが寝不足の時の、典型的な太るスパイラルです。以上が、「目に見える」スパイラルです。

 

「目に見えない」太るスパイラルとは?

実は、「目に見えない」太るスパイラルもあるのです。自分で動いて消費できる総活動量は、実は、どんなに頑張っても1日の総消費カロリーの3割ほど。では、残りの約7割は? 残りの7割は「基礎代謝」によるものです。

 

基礎代謝とは、内臓を動かしたり、呼吸をしたり、体温を調整したり、私たちが「生きている」だけで消費するカロリーです。基礎代謝量は1日の総消費カロリー全体の約7割もあるので、これが上がるようになれば、摂取カロリーが同じなら、消費カロリーが増え、やせやすくなります。逆に基礎代謝量が落ちれば、太りやすくなるということです。実感している方も多いと思いますが、加齢とともにやせにくくなるのも、この基礎代謝量が落ちていることが原因です。そして寝不足は、基礎代謝量をさらに下げてしまうのです。

 

基礎代謝量を左右するキーワードは?

「成長ホルモン」です。成長ホルモンが出ている睡眠中に、全身の細胞の新陳代謝が最も上昇します。成長ホルモンの分泌がスムーズにいかないと、「新陳代謝がうまく行われなくなる」=「基礎代謝量が減る」ので、その分太りやすくなります。成長ホルモンはまた、中性脂肪を分解し、筋肉の修復をしてくれる働きもします。中性脂肪が減るのはやせる第一歩ですし、筋肉が太くなれば代謝が上がり、同じことをしても消費カロリーが増えます。つまり、成長ホルモンをたくさん出すことでより太りにくくなり、健康的に引き締まった体になりやすいと言うわけです。

 

どうやったら成長ホルモンを最大限に出せるのでしょうか? 

キーワードは「眠り始めの3時間」。この3時間の間に、「ノンレム睡眠(脳の活動が低下している状態の睡眠)」の中でも、特に深い睡眠が多く出現します。この「特に深いノンレム睡眠」中に、1日に分泌される成長ホルモンの7~8割が出るので、眠り始めてから3時間以内に目を覚ましてはいけません。

 

たとえば、ソファで1時間ほど「うたた寝」をしていることに気づいて、急いでベッドに移動して寝たり。眠り始めの3時間のどこかで目を覚ますと、またすぐに眠れたとしても、成長ホルモンの続きはまず出てはきません。目が覚めたら分泌は止まってしまうので、そこからもう一度寝ても、一番深いノンレム睡眠に達しにくいためです。

 

ちなみに成長ホルモンは空腹時に分泌されやすいので、夕食はできれば寝る2~3時間前にとっておくのが理想的。少なくとも、「お腹いっぱいで寝る」ことは避けましょう。

 

太りにくい体をつくる睡眠時間は?

それでは、何時間寝たら太りにくくなるのでしょうか? ハーバード公衆衛生大学院が「7~8時間寝ている人に比べて、少ない睡眠時間の人は、より肥満になるリスクが高いというデータが多数ある」と公式に発表しています。ウィスコンシン大学の2004年の論文では、7.7時間の睡眠時間が一番太りにくいとピンポイントで結論づけています。いずれにしても、「7~8時間」がダイエットのベストな睡眠時間というのが今のところ研究者たちの大方の見方であり、また逆に「5時間以下の睡眠時間は、太りやすくなる」「寝すぎも太る」という実験データも多数あるので、やせたい人はまず、「5時間以下の睡眠時間」と「寝すぎ」を積極的に避けるところから始めてみてはいかがでしょうか。