人が孤独を感じる理由とは?

友達がいるのに孤独を感じるというようなことはありますか?

家族、恋人、友達がいるのになぜか孤独を感じる、あるいは、別に友達が少ないわけでもなく、普通に友達にも恵まれているのに孤独を感じるのはなぜなのか。質の良い友達がいた方が、健康にもなるし幸福度が増すと言われています。

これは、友達がいるかどうかということよりも孤独なことが良くないのです。友達がいなくても孤独を感じていないのであれば問題はないし、友達が少ないとしても孤独を感じていなければ問題はないわけです。逆に Facebook や LINE を登録しきれないぐらい友達がいます。でも孤独だという人がいますが、これはなぜなのか。

 

孤独を感じる人は多い

ここ数年で特に言われていることですが、孤独感というのは健康リスクとしてはとても大きくてタバコと同じぐらいだとされています。孤独を解消するために何をすればいいのかとなると、友達を増やしたいとか、人脈を増やしたいという場合は、いわゆるコミュニケーションスキルやテクニックを学べば増やすことはできます。スキルの問題なので解決できます。ところが、友達がいるのに孤独を感じるというのは話が変わってきます。

シカゴ大学の2010年の論文で分かっていることですが、1970年から1999年に行われた孤独感に関する様々な論文を解析し導かれた結論を紹介します。多くの人と交流もできて、人脈は多く表面上の友達もたくさんいても、なぜか心の奥底で孤独を感じている人は多くいます。このような主観的な孤独感というのはなぜ残るのかということです。

この論文によると、孤独感というのは、友達が多いとか少ないとか、コミュニケーションスキルがあるのかないのかとかというようなこととは関係がなく、孤独を感じる人は友達が多かろうが少なからをが孤独を感じるということです。

 

孤独を感じる原因は?

お金がないと受け入れてもらえないと考えたり、自分が有名だと証明しないと受け入れてもらえないというように考えてしまい、結果借金をしまくって破損したというような著名人も多くいます。このようなことがなぜ起きるのかというと、彼らの根底にはこの孤独感があるわけです。自分は他人に受け入れてもらえない、認めてもらえないという孤独感があり、そのために、有名だとか成功しているということを示していかないと認めてもらえないというように考えてしまいます。

つまり、自分の思い込みが原因で孤独になっているのではないかということです。友達がいないことが孤独の原因ではなく、自分のことを認めてくれる人がいないと思ってしまっている、自分の間違った思い込みが孤独感というネガティブな感情を生み出しているわけです。ですから、ある程度友達もいるのに孤独感を感じるという人は、友達を増やそうと考えるのではなく、どちらかといえば、自分のバイアスを回避することを考えるべきということです。思い込みを解くことを考えていかないと孤独感はいつまでたっても解消できません。

このような思考の偏りを修正するためには、認知行動療法やバイアスを回避するためのテクニックを使っていただいて、自分の主観自体を矯正していかないといけません。問題なのは人間関係や友達ではありません。

孤独感の根底にあるのは自分は誰にも受け入れてもらえないという強烈な思い込みがこの感情を作っています。孤独感を感じているという人は、その孤独感はこの思い込みではないかということも、一度冷静に考えてみると良いかと思います。